コンドームとエイズ予防

 問題を引き起こした教皇発言

 3月21日の読売新聞(7ページ)によると、「アフリカを訪問中のローマ法王が、『コンドームはエイズ予防に役立つどころか、かえって問題を増幅させる』と発言し、...エイズ対策に取り組む国際機関などから強い反発を呼んでいる...問題の発言は専用機内で、記者団に語った」と伝えられています。

 誤解を招きやすいこの発言に対して次の点を念頭におきましょう。

 1)コンドームの使用は決して「教理の問題でもなければ」、「教皇教導権」の問題でもなく、「罪の問題」でもなく、「カトリックの立場や方針問題」でもないといわなければならないのです。コンドームを禁じることも勧めることも教会の役割ではありません。

 2)教皇の記者相手の発言は教皇個人の意見であって、それに対してカトリック信徒は異論を唱えてもさしつかえありません。

 3)エイズ予防のためにも、中絶をさけるためにも、コンドームやその他の避妊方法を使っても倫理的には問題がありません。

 4)エイズ感染を避けるためには、アフリカのカトリック教会がコンドームを配給している例が少なくありません。